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20代半ば、人生に迷える子羊の読んだ本・気になる本

【おすすめ!】人生に迷う20代半ば男が選んだ名作 ⑨ | 小杉健治『父からの手紙』

人生に迷える20代半ば男です。人生に迷いまくってます。「こんな仕事続くのかな」「定年までの長い間の人生これでいいのかな」「定年ってあるのかな」と不安に駆られた自分が「読んで良かった!」と思える本を紹介していきます。

 

第九回はコレ

小杉健治『父からの手紙』

 

小杉さんの作品はこれが初めてで、しかも友人から本をもらっただけなので、作品が映画化されていたりだとか、どんな賞をもらったことがあるのかだとかはよくわかりません。ですが、本の解説を読むとミステリーを中心に、最近(といっても、最初に発刊されたのが2006年なのでもうだいぶ前ですね)では「家族の絆」というテーマで書いているそうです。今作もまさしくそのテーマにふさわしいものです。

 

 

まずはあらすじをご紹介~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 父は家族を捨て行方知れずとなったが毎年の誕生には決まって手紙を書いてくる。そんな父と母とを見た主人公の麻美子も、大切な人を守りたいから不本意ながら結婚することに。

 家族を守りたかったのか、それとも自分の欲望を守りたかったのか、9年前に悪徳の刑事を殺害するも最後までなぜ自分が殺害したのか思い出せずに出所した、もう一人の主人公の圭一。

 全く接点のない二人の物語が交互に展開されていき、最後は一つにつながる物語。

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ミステリーではよくある物語の展開ですよね。全く接点のない二人の物語が展開されますが、後半に進むにつれ、徐々に、チラチラッと接点が現れ、2つの話が近づいてくるのを感じる展開となります。

つながりが見えたが最後、読者は「もう遅いし、明日も仕事があるから今日は寝よう」なんて甘えたことを言うことは許されず、ただ作者、本の意のままに手を動かしページをめくるロボットとなり果てるのみ。

 

ですが、今作は後半怒涛の展開のミステリーというよりは、家族の絆を深く描いたものです。とはいいつつも、結局展開は後半まで見当もつきませんでした(ミステリーやサスペンスを愛好している方は、途中で犯人とかオチが見えるものなのでしょうか?)。

 

逆に言えば、「ミステリー」と「家族の犠牲」の両方がしっかり描かれているように感じました。

 

辛いことがあるときは泣いたほうがいいってよく言いますけど、確かに泣いたら少しはスッキリしますもんね。この本は、玉ねぎを3個切ったときくらいの涙がでます。

 

 

もし、人生に迷っているあなた(迷っていないが面白い本を見つけたあなたも!)が「良かった!」って思える本があれば、ぜひコメント欄で教えてください!