Journey with Books

20代半ば、人生に迷える子羊の読んだ本・気になる本

【おすすめ!】人生に迷う20代半ば男が選んだ名作 ⑤ | 森見登美彦『有頂天家族』

人生に迷える20代半ば男です。人生に迷いまくってます。「こんな仕事続くのかな」「定年までの長い間の人生これでいいのかな」「定年ってあるのかな」と不安に駆られた自分が「読んで良かった!」と思える本を紹介していきます。

 

第五回はコレ

森見登美彦有頂天家族

 

森見登美彦さんといえば、最近では『ペンギンハイウェイ』が映画で上映され、また過去には『四畳半神話体系』(こちらはアニメ化)や『夜は短し 歩けよ乙女』(こちらの作品も映画化されています)などが話題になった作品として挙げられます。

 

まずはあらすじをご紹介~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 舞台は京都。古くから人間とたぬきと天狗が共生する地。大狸の父をもち、偉大であった天狗の先生をもった狸、下鴨矢三郎の「毛玉ファンタジー(文庫本の裏表紙にあった表現)」である。

 そこで起きる狸同士の確執や、人間と狸の攻防(というより、人間が狸を鍋にして食べること)、天狗と半天狗の恋などに下鴨矢三郎が首を突っ込んだりしまくる、いわば狸の京都における冒険譚。

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狸が主人公なんて、宮崎駿監督の『平成狸合戦ぽんぽこ』以外に知らないです。

この作品も物語としては非常に面白く、笑える部分も、ハートフルな部分も、そして手に汗にぎる部分もしっかりあります。

 

そして「面白きことは良きことなり!」が口癖の主狸公の生き様は(生き様と呼べるほどカッコいいものかは別にして)、とても爽快です。

 

日々の生活に閉塞感を感じ退屈している人、たくさんのストレスを感じ頭がカチコチになって疲れている人の頭を優しくもみほぐしてくれます。

 

もちろん、狸は気楽だからいいじゃないか(実際の狸がどのような気持ちで生きているのかはわかりませんが)とも思えますが、ただ、日々の生活のなかに常に「面白きこと」を探している彼を見ると、平日はなかなか辛くても、休日は思い切って外で「何か面白いものでも見つけてやろう!」という気になります。

 

本を読んでいるのに、「グズグズしていられない。お外に行こう!」ってなるんです。

 

また、この作品に限らず、森見さんの作品にはいくつも名言があります。そして迷言があります。今回の作品で私が名言に感じたのは、

世に蔓延する悩み事は大きく二つに分けることができる。一つはどうでもよいこと、もう一つはどうにもならぬことである。そして、両者は苦しむだけ損であるという点で変わりはない。

 

確かに!と思わず手を打ちたくなりました。

もしも悩みがたくさんあって辛い方は、一度このように自分の悩みを分類してみるとよいかもしれませんね。その際は、ぜひ『有頂天家族』も読んでください。

 

 

もし、人生に迷っているあなた(迷っていないが面白い本を見つけたあなたも!)が「良かった!」って思える本があれば、ぜひコメント欄で教えてください!

 

 

【おすすめ!】人生に迷う20代半ば男が選んだ名作 ④ | 原田マハ『生きる ぼくら』

人生に迷える20代半ば男です。人生に迷いまくってます。「こんな仕事続くのかな」「定年までの長い間の人生これでいいのかな」「定年ってあるのかな」と不安に駆られた自分が「読んで良かった!」と思える本を紹介していきます。

 

第四回はコレ

原田マハ『生きる ぼくら』

 

原田マハさんといえば、芸術家をモチーフにした作品が多いですよね。少し前に本屋で『楽園のカンヴァス』や『暗幕のゲルニカ』などがおススメのコーナーに並んでいるのを見た方も多いのではないのでしょうか。

 

まずはあらすじをご紹介~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 いじめからひきこもりとなった青年が、唯一頼りにしていた母が突然いなくなってしまう。母が置いたものは、少しの生活費と年賀状の束。その年賀状の中から、昔大好きだった祖母のものを見つけ、そこに書かれている驚きの内容から、祖母のもとに行こうと決意する。そこで会い変わってしまった祖母、そしてそこで出会った女性との三人での生活が始まる。

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タイトルや文庫本の裏表紙にあるあらすじでぶっちゃけ「あっ、よくありそうな青年の更生物語だ」と悟りました。でも、作者が作者で、『楽園のカンヴァス』では最後に、自分の体の鳥肌が総立ちしてスタンディングオーベーションしましたし、『本日は、お日柄もよく』では力強くも優しい物語が自分の涙腺に破壊の限りを尽くしたのを覚えていたので買いました。

 

前半の三分の一あたりで、「やっぱ、よくありそうな青年の更生物語だ」と若干残念な気持ちがしました。まぁ河童もときには流れるでしょう、と。

 

しかし、段々惹きつけられるんですね。祖母の家で会った女性の変化やこの物語では数少ない大学生、それも典型的な都会の勘違い意識高い系(ちなみに自分も大学のとき、田舎の意識高い系でした。書いてみると田舎と意識高い系ってなんだか矛盾してみる印象受けます)の投入で少しずづ面白くなってきました。

 

正直、めちゃくちゃ面白いというわけではありません。主人公が人とのつながりや米作り、仕事を通して立派になっていくというところはもちろん予想通り。

 

でも、こういう物語ってやっぱり読んだ後は優しい気持ちになれますし、とりあえずダメでも頑張るんだ!って気持ちが湧きますよね。辛い人にそっと寄り添ってくれる本だと思います。

 

 

もし、人生に迷っているあなた(迷っていないが面白い本を見つけたあなたも!)が「良かった!」って思える本があれば、ぜひコメント欄で教えてください!

【おすすめ!】人生に迷う20代半ば男が選んだ名作 ③ | 『ブラックマヨネーズ吉田のぶつぶつ』

人生に迷える20代半ば男です。人生に迷いまくってます。「こんな仕事続くのかな」「定年までの長い間の人生これでいいのかな」「定年ってあるのかな」と不安に駆られた自分が「読んで良かった!」と思える本を紹介していきます。

 

第三回はコレ

ブラックマヨネーズ吉田敬

ブラックマヨネーズ吉田のぶつぶつ』

 

2005年のM-1グランプリチャンピオン、大阪出身のコンビのブラックマヨネーズ、そのボケ担当の吉田敬さんのエッセイ。

 

エッセイ集を紹介するのに、あらすじってのもおかしいと思うので(おかいしのかな?)とりあえずどんなことが書かれているのか、簡単にご紹介。~~~~~~~

まず、タイトルに直球どストレートの自虐が入っているが、エッセイもそのような感じ。吉田さんが感じた日頃の不満や嫉妬的なものが余すことなく、ふんだんに散りばめられている。なかなか人生の不条理に嘆き、ぷつぷつ不満を言っている読者には、「コレめっちゃわかるわぁ」「間違いない!」と激しく同意をしたくなることがあるだろう。不思議なもので、不満が溜まっている人が読めば読むほど、共感や仲間を見つけた気になって(吉田さんのレベルだと師匠という感じか)、読んだ後はスッキリする。

 

 

・・・。エッセイの内容紹介をするつもりが、もう感想も書いてしまったようです。

テレビで吉田さんが他の芸人さんからケチであるというエピソードを言われているとき、吉田さんは見事なほど開き直って、論理的(?)合理的(?)な詭弁をこねくり回し、自分は悪くないと断言します。

 

この生き様、かっこ良すぎません???

普通の人がケチと批判されたら、ケチじゃない!と必死に主張したり、自分が少し恥ずかしくなったりして逆ギレしそうなものですが、吉田さんは自分は全く悪くない!と自信満々で言います。

 

もちろん、本人からしたら色々あるんでしょうけど、そこは押し殺してかうまく活用してしまう芸人さんの鑑なのかなぁと思います。

 

色々不満が溜まっている人は、絶対にこの本は息抜きになります!特に真面目な人!

 

もし、人生に迷っているあなた(迷っていないが面白い本を見つけたあなたも!)が「良かった!」って思える本があれば、ぜひコメント欄で教えてください!

 

 

 

【おすすめ!】人生に迷う20代半ば男が選んだ名作 ② |奥田英朗『イン・ザ・プール』

人生に迷える20代半ば男です。人生に迷いまくってます。「こんな仕事続くのかな」「定年までの長い間の人生これでいいのかな」「定年ってあるのかな」と不安に駆られた自分が「読んで良かった!」と思える本を紹介していきます。

 

第二回はコレ

奥田英朗イン・ザ・プール

 

松尾スズキさん主演で映画化もされており、主人公の伊良部一郎が主役として他にも二作あるハートフル(?)なコメディ。

 

まずはあらすじをご紹介~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

伊良部総合病院の地下室にある神経科を、様々な悩みや症状を抱えた患者が訪れ、主人公がその悩みを解決していくお話。ただ、患者の悩みがはたから見たらそこまで深刻なのか深刻でないのかよくわからないうえに、主人公の人格がはなはだ型破り。医者というより、自分の欲望にどこまでも素直な子供みたい。ただ、欲望は子供らしからぬもの。

そんな型破りな主人公が、患者と一緒になって(というと聞こえはいいが)、悩みを解決していく。

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初め読んだときは「面白くて暇つぶしにはぴったりだ」と思うくらいであったが、読んでいてハッとすることもなかなか多かったですね。

 

特に、主人公は型破りで子供じみた精神の持ち主なので、周りの目を気にしたりせず、悩みに対しても直球ど真ん中で解決していこうとします。

 

多分、人間は色々なことで悩んでいるし、悲しいことに当の本人がどこまでも深刻に悩んでいることも、その深刻さの3分の1ほども周りは理解できないですよね。まぁそれは仕方ないことだし、自分も他人の悩みに全力で親身になれるかといえば、そうでもないですし。そんな悩みに一緒になって、シンプルな解決策を提示したり、一緒に解決してくれる人っていうのは、案外周りにいないですから、読んだ人は「こんな人がいてくれたらなぁ」って思うと思います。

 

人間って見栄はっちゃうし、その見栄が悩みの本質を隠したり、悩みの解決の妨げになったり。そんな見栄をとっぱらってくれる人がいたらなぁ、って思います。

 

たまに無性に「ドラえもぉ~~~~ん」って叫びたくなるのは、こんな気持ちなのかな、と脈絡もなく頭に浮かびます。

 

人生に指針を与えてくれるわけでも、どこかに導いてくれるわけでもないですが、悩みに悩み、頭もガチガチ、肩も常時いかり肩の疲れた人の力みをそっとほぐしてくれる、そんな本です。

 

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【おすすめ!】人生に迷う20代半ば男が選んだ名作 ① | 冲方丁『天地明察』

人生に迷える20代半ば男です。人生に迷いまくってます。「こんな仕事続くのかな」「定年までの長い間の人生これでいいのかな」「定年ってあるのかな」と不安に駆られた自分が「読んで良かった!」と思える本を紹介していきます。

 

第一回はコレ

冲方丁天地明察

 

言わずと知れた名作ですね、2010年には本屋大賞を受賞、V6の岡田准一さん主演で映画化、そして漫画にもなった名作(大事なことなので二回言います)。

 

まずはあらすじをご紹介~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

江戸時代、将軍が四代目の徳川家綱の時代、主人公の渋川春海(幼少期の名前や、名前の使い分けがあるので、ここでは渋川春海としておく)は、囲碁棋士として幕府に奉公していた。渋川春海には囲碁の才能はもちろん、好きなことにはとことんのめり込む性格も持ち合わせており、囲碁の他にも算術や天文学にも深く通じていた。

そんな渋川春海が突如、幕府から日本独自の暦を作ることを命じられ、奮闘し、多くの人と関わり合って、日本全土を巻き込む大事業に立ち向かう物語。

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最初は、「時代小説は読みにくそう」とか「時代小説で、更に主人公が歴史の教科書でチラッと見たことがあるような人の物語か」とか「作者の名前が読めんし、どこまでが名前なんだ(「丁」が名前。「とう」って読みます)」とかごちゃごちゃ考えてました。

 

しかし、読んでみると...

面白すぎて、止まらない。良い点を挙げていけば、あまりにもキリがないので、簡潔にまとめます!

【1】文章が非常に読みやすい

【2】物語の構成が秀逸

【3】主人公と関わる登場人物が魅力的

【4】現代の若者が読んで共感できる部分がある

 

【1】文章が非常に読みやすい

➡言葉通りですね。昔ながらの言葉遣いなどがうまく書かれてます。あんまりその時代を知らなくても問題なし。ときたまわからない言葉や出来事などには、超ナチュラルに解説されますが、ナチュラル過ぎて読んでいて苦にならない。

 

【2】物語の構成が秀逸

最初に後半の場面をぶっ込んできます。読者はみな頭に「?」マークがつきますが、物語が進むにつれ、その場面が近づいてくるのを感じた読者の頭には「!!!」がつきます。

 

【3】主人公と関わる登場人物が魅力的

主人公も魅力的、登場人物も魅力的、構成が秀逸、それは面白いでしょう。全員が、違う形の漢気があってまぁ泣かされます。

 

【4】現代の若者が読んで共感できる部分がある

ぶっちゃけ、ここが言いたかったです。正直、渋川春海のように常に努力し続けるって姿勢に憧れる訳ではなく、囲碁棋士という身分があり、また力もあったのでそれをやっていたが、最終的には自分の好きなことを極めていった。

「自分の好きなものを極める」これほど憧れることはありませんよね。まじでこうやって生きたい...

 

最後に時代小説という風にカテゴリー分けさせると絶対に「フィクションかノンフィクション」か問題が発生する。

自分はぶっちゃけ、どうでもいいと思ってます。

もちろん、フィクションをノンフィクションと偽って売り出すのはダメです。ただ、結局歴史のことなので、史実としてわかっていることもあれば、史実として残っていないものもあるし、その資料を残した人物がどのような立場であったのかで資料の信ぴょう性自体も微妙でしょう。

ずっと昔の物語が全て本当かどうか検証するより、物語として楽しんだらええじゃないか。

ただ昨年の大河ドラマ西郷どん」の西郷隆盛は「実際に、こんな聖人なのか???」と思い、度々Wikipediaを覗きました。

 

もし、人生に迷っているあなた(迷っていないが面白い本を見つけたあなたも!)が「良かった!」って思える本があれば、ぜひコメント欄で教えてください!